ウィーン国立歌劇場合唱団滞在記(2) Breakfast

朝食期間中、夕食はそれぞれ自由にあちこちでとることになっていたけど、朝食はホテルで準備した。通常用意する朝食はオレンジジュースにサラダ、オムレツとハムかベーコン、パンとコーヒー。

う〜む、ウィーンって確かドイツ語だったよな〜。食習慣の違いは解らないので初日はいつも通りに用意した。以前、イタリア人30人くらいの団体でサラダを出していたら、なんと彼らは生野菜をほとんど食べなかった。日本でイタリア料理というと生野菜のサラダは付き物の様な印象がするが、思いこみはいけない。マーガリンも食べず、そのかわりいちごジャムは山ほど食べていた。

早めに朝食に来た数人に聞きながら翌日のメニューを考える。どうやらパンは柔らかい日本のロールパンよりトーストがいいらしい。トーストといってもたぶん日本によくある食パンは違う気がしたので、これにはイギリスパンを使った。

「Cofffee or Tea ?」

ほとんどコーヒー派だったけど、次の日にはフリーで紅茶も飲めるようにどちらもセット。

今はワールドカップの開催中だ。市販でもドイツ関連のものが店頭によく並んでいる。「ドイツといえばビールとソーセージだよな〜」そう思っていると、案の定、ドイツ風ソーセージが売っていた。よし、これを出そうとは思ってみたものの、考えたらヨーロッパで日本人に刺身を出すようなもの。はたして本当にウケるものか?

しかし、彼らは結構なんでもよく食べてくれた。夕食はというと、ラーメンなども食べに行っていたようだ。ウィーン国立歌劇場の合唱団と、とんこつラーメンの組合せはちょっと想像つかない(苦笑)が、結構好きらしい。

ウィーン国立歌劇場合唱団滞在記(1) Prologue
ウィーン国立歌劇場合唱団滞在記(3) Johann
ウィーン国立歌劇場合唱団滞在記(4) English conversation
ウィーン国立歌劇場合唱団滞在記(5) Summer Pool
ウィーン国立歌劇場合唱団滞在記(6) One trouble
ウィーン国立歌劇場合唱団滞在記(7) That day and afterwards

ウィーン国立歌劇場合唱団滞在記(3) Johann

ウィーンの唄い手たち3滞在2日目。メンバーの一人、ヨハン[Johann Reinprecht]が、しきりに話しかけてくる。どうやらビスのようなものが欲しいという感じだったが、screwは解っても「bolt ?」が通じない。結局、絵を描いて了解、近くの金物屋に連れてく。

一体何をするのかと聞くと、女性メンバーのひとり[Sabina Zapior]のスーツケースがハンドルの根本で外れているので、それを修理するという。さかんに「repair in ten minutes」だと。空港で?手荒く扱われて壊れたとか。ほんまかいな?ま、私の英語力だから何とも云えないが。

孫を抱いていた金物屋のおじさん、それならと向かいのパーツ屋さんを紹介してくれたが、歩きながらヨハン曰く「赤ちゃんが泣いてしまった」(笑) まあ、確かに見慣れない大男ではあるけどね。

パーツ屋で適当なボルトとナット、押さえのワッシャーを購入、全部で¥113。パーツ屋の壁には、たぶん業界のものだろう賞状がずらりと掛けてあった。「マイスター(Meister)、マイスター、マイスター・・」とにっこりしてヨハン。「イエス、イエス、イエス(笑)」吹き抜けになっているパーツ屋の中2階を構成しているむき出しの鉄骨の骨組みを感心しながらしきりにのぞき込んでいた。

さて、ドリルなどの道具は私が持っていたものを貸して彼の作業に付き合うことに。ドリルで破損している部分に穴を開け、購入したボルトとナットで締め上げる。図体も、その手もでかいけど器用な男だ。たぶん、購入したときよりも頑丈なスーツケースになったことは間違いない。

彼の奥さんとお嬢さんの写真を見せて貰った。かなりボロボロになっている写真だったが大事そうに財布にしまっていた。パイロットの資格も持っているというヨハン。いいお父さんなんだろう、彼がとても好きになった。

今回、ヨハンの尊敬する友人のT御夫妻が公演を観るために2日間同宿された。彼からはもっと他の nice room はないかと聞かれたが、あいにくと同じタイプのツインしかない。本当に心苦しく思っている。

反省して次回は君のいうことをきちんと守って見せるよ。
painting is only about ten minutes. だよな?ヨハン(笑)
**This message is the one to Johann.

ウィーン国立歌劇場合唱団滞在記(1) Prologue
ウィーン国立歌劇場合唱団滞在記(2) Breakfast
ウィーン国立歌劇場合唱団滞在記(4) English conversation
ウィーン国立歌劇場合唱団滞在記(5) Summer Pool
ウィーン国立歌劇場合唱団滞在記(6) One trouble
ウィーン国立歌劇場合唱団滞在記(7) That day and afterwards

ウィーン国立歌劇場合唱団滞在記(4) English conversation

ウィーンの唄い手たち4滞在期間中彼らとはいろんな話をしたが、私はもちろんドイツ語はまったくダメ。アイン、ツァイン・・とか、ダンケシェーンくらいなものだ。しかしメンバーは英語を話してくれるので、いいたいことは大体聞き取れる。

ホテルのフロントには夕方になると女子大生のスタッフが交代で入る。みんな英語が出来る訳じゃない。今日はほとんど外国のお客様だと伝えると「え〜!!やっぱりぃ!!電子辞書持ってくれば良かったぁ」

(笑)(笑)「とにかく恐がらずに積極的に話を聞いて、知っている限りの単語を並べてでも意志を伝えるように頑張りなさい。そのうち、聞き取れるようになるから」とアドバイスする。

正直な話、私も英会話がちゃんと出来るわけではない。ただ、アメリカ人の友人が何人かいたので、コミュニケーションを取ることにあまりこだわりがない。解る範囲でやればいいと思っている。日本人同士でも人の話を上の空でしか聞かない奴がいる。それに比べりゃ、彼らはよっぽど誠実だ。

人と人とのコミュニケーションで一番大事なのは話を聞こう、伝えようという意志だと思う。あとは、身ぶり手振りのジェスチャーさ(笑) ま、うまく喋れないことの言い訳がましいけどね。

そういえば、安全面の理由から通常貸出はしないけど、アイロンが欲しいというリクエストで手持ちのものを貸し出した。ただ、これがスチームが使えない。それを説明するのに「Dry only, no water」というと「All right, I have spray」とパッと通じる。

そのブロークンなやり取りを見ながら、たまたま受験のための難しい英単語を勉強中だった高3の娘曰く「こんなのは何の役にもたたん!」(爆)

まあ、そうはいってもちゃんと英語を勉強したいとはいつも思っている。せめて映画の字幕無しでストレートに楽しめるようになればなあなどと。でも何日も彼らとともに過ごしていると、頭の中が確かに英語になってくる。

通常、ホテルで電話を取るときには「久留米シーガルホテルでございます」と云うのだが、思わず「Hello !」と何度も云いそうになった(苦笑) 映画館を出たときに主人公になったかのような気分になるのと同じ事だ。やくざっぽい映画なら肩をいからせてしまうし、英語圏の映画なら思わず両手を広げてため息をついたりするもんさ。

ウィーン国立歌劇場合唱団滞在記(1) Prologue
ウィーン国立歌劇場合唱団滞在記(2) Breakfast
ウィーン国立歌劇場合唱団滞在記(3) Johann
ウィーン国立歌劇場合唱団滞在記(5) Summer Pool
ウィーン国立歌劇場合唱団滞在記(6) One trouble
ウィーン国立歌劇場合唱団滞在記(7) That day and afterwards

ウィーン国立歌劇場合唱団滞在記(5) Summer Pool

ウィーンの唄い手たち5メンバーは滞在中、確かによくプールを利用していた。夜になるとプールサイドに集まり、軽く飲みながらお喋り。もちろん、バカ騒ぎして大声を出すでもなく、楽しそうにくつろいでいた。夜12:00・・01:00・・03:00・・おいおい(苦笑) まあ、構わないけど。

板谷さんの他にもう一人日本人メンバーがいる。ヒロユキ[Hiroyuki Ijichi]。彼は鹿児島の出身だそうだ。彼も2日目の朝はなんと7:00からプールに入っていた。「まだ時差ボケで(笑)」

スタッフが用意したらしい夕食会場などに何度かバスで送迎したけど、やはりメンバーの中に日本人がいるというのはとても心強い。細かな意思伝達は私の broken english では限界あるもんね。ヒロユキさん、御世話になりました。

そういえば、昔の西部劇などに出てくるインディアンの言葉は「インディアン、嘘、つかない」などと、とびとびの和訳と相場は決まっている。単語を並び立てるだけの会話と云うことで、そう翻訳されるんだろうけど、そうなると私の英語もインディアン英語という処だなあ(笑)

メンバーの国籍は結構多彩だ。韓国人もいれば、ドイツ人、ハンガリー人、アメリカ人、オランダ人?・・みんなそれぞれのお国でトップクラスのヴォーカリストなんだろうなあ。

それから大変申し訳なかったけど、滞在中、半日ほど、一部の部屋のエアコンが不調になり、その間スペアルームを用意させて貰ったことがあった。アメリカン?のアリーシャ[Alicia O'Neill]には「カリフォルニアはもっともっと、も〜っと暑いわよ」と慰めて貰った(汗) みなさん、大変ご迷惑をお掛けしました。

ウィーン国立歌劇場合唱団滞在記(1) Prologue
ウィーン国立歌劇場合唱団滞在記(2) Breakfast
ウィーン国立歌劇場合唱団滞在記(3) Johann
ウィーン国立歌劇場合唱団滞在記(4) English conversation
ウィーン国立歌劇場合唱団滞在記(6) One trouble
ウィーン国立歌劇場合唱団滞在記(7) That day and afterwards

ウィーン国立歌劇場合唱団滞在記(6) One trouble

ウィーンの唄い手たち2公演前日、7月3日の朝。朝食に起きてきたチャバ[Csaba Markovits]が右の頬を大きく腫らせて降りてきた。これは一大事とみんな心配して駆け寄る。聞くと、オーストリアを出国前に歯の治療をしていたのだが、出発に間に合わずそのまま来日という事になったらしい。どう考えても悪化して化膿している。

取りあえず、行きつけの、というか古くからの知り合いの薦野先生に電話。診療予約で結構忙しそうだったけど、割り込ませて貰うことになり、即、国分の歯科医院まで送っていった。

メンバー一人と、板谷さんが同行していたので送り届け、先生に挨拶だけして帰ってきたけど、小一時間すると戻ってきた。なんでも噛み合わせが悪くなった事が原因で上の歯にバイ菌が混入したらしい。切開して化膿とガスを取り除き、抗生物質と消毒薬を処方して貰ったようだ。

「それが〜・・」と板谷さん。「先生がどうしても治療代を受け取ってもらえなかったんですよ〜。薬代だけでいいって」これには私も恐縮した。

心配したメンバーの一人が手持ちの薬を持ってきて、飲ませてはどうかとの問いかけに、ヒロユキさんが先生に電話したときも、薬の名前を確認した後、じっくり時間を掛けて納得できるように説明して頂いたり、いや、本当に御世話になりました。

翌日の公演当日には腫れは随分おさまり、チャバも元気に出演。板谷さんからお預かりしたチケットに快く奥様と観劇にも駆けつけていただき、ありがとうございました。間にあって本当に良かったです。

顔を腫らしたチャバのまわりに集まるメンバーを見ながら、そのときに朝食のヘルプをしていた娘が翌日「何か事件が起きたときの外国映画のワンシーンを観ているようだった」と漏らしていたのも、今では笑い話でいいかな(笑)

ウィーン国立歌劇場合唱団滞在記(1) Prologue
ウィーン国立歌劇場合唱団滞在記(2) Breakfast
ウィーン国立歌劇場合唱団滞在記(3) Johann
ウィーン国立歌劇場合唱団滞在記(4) English conversation
ウィーン国立歌劇場合唱団滞在記(5) Summer Pool
ウィーン国立歌劇場合唱団滞在記(7) That day and afterwards
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