今年の「さぎっちょ」は1月8日に行われた。この日、地元の公民館では成人式が行われ、華やかな振り袖姿で会場へ向かう若者の姿がちらほらしている。授業も部活も休みの息子(高1)を連れだって、朝から竹の切り出しの手伝いに向かったが、ちょっと小雨模様の冬戯れたお天気。
午後4時に年男、年女の手によって点火されたさぎっちょは瞬く間に燃え上がり、青竹の弾けるポンポンという破裂音をけたたましく響かせながら、天高く白煙を沸き上げる。毎度お馴染みの風景だが、久留米市内でもこの風習が続いているところは今や少ない。
雨はすっかり上がり青空は広がっていたけど、暖かかった昨年とは風の向きが逆だった。やがて炎は高々と組まれたさぎっちょを舐め尽くし、豪快に倒壊する。
子供達にはぜんざいが振る舞われ、大人たちはまだくすぶる竹を割いて「ぬすどんばん」を次々に作っていく。
陽が落ち、大人たちへ酒が廻る頃には黒々とした灰の山は朱く怪しげな明かりをちらつかせる熾き火になる。たくさんの「といも:(サツマイモ)」が灰の中にくべられ、ホクホクの焼き芋が出来上がる。
「縁起もん」などとはよく云われる言葉だが、人間の切ない想いがこんな風習にはぎゅっと詰まっている気がするよ。
■ メイキング・さぎっちょ:[昨年の記事から]
[http://www.kurumejin.jp/archives/50165534.html]
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