舞台挨拶1

舞台挨拶25月5,6日に、久留米市民会館で映画 [Watch with Me〜卒業写真〜]のプレミアム上映会が行われた。ゴールデンウィーク最後の2日間だったが、両日で約2500人の観客が詰めかけた。市民会館の二階席に人が入っているのを久しぶりに見た気がするよ。

上映に先立ち、まず今回の映画でオーディションを通過して出演した地元の子役全員が紹介され、続いて瀬木直貴監督以下、津田 寛治さん、羽田美智子さん、中野 大地さん、高木 古都さん、EIJIさん、高杢 禎彦さん各々が舞台挨拶を行った。

仕事で初日の5日には出かけられなかったが、6日にはどうにか間にあった。以下、舞台挨拶の様子を。
初っぱなにマイクを握った瀬木監督は「実はこの映画を一緒に創った方々の中で、既に亡くなられた方がいます。また、今この瞬間に病院で闘病中の方も・・・」と、この映画のテーマである生と死の狭間に相対する人の想いを静かに語りかけた。またコメントの最後では、明確に力強く「久留米は第二の故郷とになりました」と、地元久留米の熱いバックアップへの御礼で締めくくった。

舞台挨拶3この監督のコメントを受けてマイクを手渡された主演の津田 寛治さんは「この場で初めて、亡くなられた方や闘病中の方がいると聞かされて・・」と絶句、自身が演じた映画の中で死にゆく上野和馬のイメージが蘇ったかのように号泣、一生懸命ことばを紡ぎ出そうとするが出てこない。

ステージ上の他の出演者も観客も、一気にこの映画の琴線に引き寄せられもらい泣き。彼のこの役に懸けた熱い心根が、ことばではなく十二分に伝わってきた。

続いて、妻の由紀子を演じた羽田美智子さんがコメント。生と死がテーマの映画だが、その中で繰り広げられる看取る側の心情を細やかに伝えていく。 その後、主人公の子ども時代を演じた中野 大地さん、高木 古都さんがこの映画との出会いへの感謝とロケ地久留米への想いを訴えかけた。

舞台挨拶6地元の人気DJ、EIJIさんは「みなさん!この映画を観たら、いつでも良い、ぜひロケ地のあちこちを歩いてみて下さい。地元にいながら、こんなに素晴らしい場所があったのかと本当に感動します」とロケ地に選択された草野町や片の瀬橋など、情緒あふれる風景の再発見を熱く語り始める。

喋るのが仕事とはいえ、これが止まらない。「EIJIくん、長いよ(苦笑)」と監督にたしなめられ、観客皆爆笑でコメント終了。

挨拶のトリは、高杢 禎彦さん。元チェッカーズ、地元久留米出身の彼は実はガンの闘病経験がある。「私はこうやって無事生還できましたが・・」と短いことばながらこの映画へ参加した事への感謝とともに、深々と頭を下げ観客は皆引き込まれていった。

舞台挨拶7ステージではその後、出演者への花束贈呈が行われたが、プレゼンテーターの子がこの日が誕生日だと云うことで、その場でEIJIさんと高杢 さんの音頭取りで「Happy Birthday」の大合唱。このサプライズにはホール全体が盛り上がった。

舞台挨拶8この映画のテーマ曲は荒井由実の名曲「卒業写真:*Hi-Fi-Set version」だが、先月この曲のカバーでCDデビューした高木古都さんが、最後に楽曲を披露。ところが、先の舞台挨拶での津田 寛治さんのコメントシーンが思い出されたのか、あるいは彼女自身の役作りが蘇ってきたのか、曲の途中で言葉を詰まらせる。観客から熱い拍手の応援を受け、涙をこらえて歌い終えた。

それにしても、短い時間だったがなんとまあ中身の濃い舞台挨拶のイベントだった。監督はもちろん、一人一人の出演者がこんなに熱い思いを語る舞台挨拶はめずらしい。高杢 禎彦さんが、挨拶の最後で云っていた「この映画を観終えたとき、みなさんは優しい気持ちになって会場を後にされるのではないでしょうか」ということばが、この作品の本来のテーマをよく物語っているように感じた。

映画は、九州先行上映と云うことで4月21日から各地で上映がはじまっているが、T-JOY久留米では5月いっぱい上映が続けられる予定。6月9日からは全国拡大上映が決まっている。

支援する会幹事としてこの映画に関わって、考えたらもう1年が過ぎている。たくさんの人のこころに、この映画が伝わっていけば良いなあと思った。

*映画上映館の情報は以下のサイトでご確認下さい。

T-JOY映画館情報
[http://www.t-joy.net/index.html]
映画 [Watch with Me〜卒業写真〜]公式サイト
[http://www.sotsugyo-mov.jp/]
映画 [Watch with Me〜卒業写真〜]を支援する会
[http://graduate.jp/]


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