
以後毎月、厳選した2本の作品を懸け続けるが、どの作品にも参加者が多く集まるわけではない。たまに利益が出た上映作品の分を次には消費してしまうという繰り返しで、運営は常に逼迫していた。
翌年、一般の娯楽作品には飽きたらず、映画への情熱に燃えていた若い委員長の梶原はなんとボーナスを袋のまま米替のところへ持って来た。最悪の時には自腹を切る覚悟だ。米替はこれを預かり「決してこの金には手を付けぬよう」決意を新たにした。
安藤記者は、福岡総局編集デスクから苦情が来るもかまわず、筑後版にATG映画解説記事を毎回40行4段組みの囲み記事として連載を続ける。
上映を決定した映画には既に既存のポスターがない作品も多い。委員会の中でシルクスクリーンの技法を研修し、ポスターを自刷りする。昼間の作業は困難なため、米替と梶原は手分けして早朝暗いうちから街へ出かけ、せっせと貼り続けていった。汗と熱意のゲリラ作戦だ。
そんな中、周辺地域から参加していた者がそれぞれの街で佐賀ATG、大牟田ATGなどを興していった。
■ タイトル解説☆
TRAVERSE【トラバース】登山で縦走路にある山の頂上へ向かわず山腹を横ぎること。
■ カルキャッチくるめ
[http://www.culcatch.jp/]
※この連載はカルキャッチくるめ通信(December 2007-January 2008)への掲載記事です。
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素晴らしい凄い先達たちがいらっしゃった〜
「じぶんをかんじょうにいれず」・・・
宮澤賢治の詩の一文を思い出します
先達の久留米スピリッツは、
かもめさんをはじめ後輩達が
しっかりバトンを繋げられていると
確信しています!