東北地方太平洋沖地震の当日、幸いにして帰省していた娘は一足先に疎開していたような形になったが、震災後少し落ちつきを取り戻した頃、卒業式中止のお知らせが舞い込んできた。

大学の管弦楽部で毎年卒業生を送る演奏をしていた娘。今度は自分の番と思っていたところへ、何とも残念なお知らせで、ちょっとかわいそうだった。
平成22年度学部および研究科学位授与式中止のお知らせ
・・・・首都圏においてもライフラインや交通の混乱や停電などの混乱が生じております。
つきましては、卒業生および保護者の皆様の安全や当事情を考慮いたしまして、本学では誠に残念ではありますが、3月24日(木)に予定しておりました平成22年度学位授与式を中止させていただくことにしました。・・・

学位授与式中止 いつまでも疎開を続けるわけにも行かず、娘は再び東京へと戻っていったが、その翌日、実家へ学位記(卒業証書)一式が届いた。

実は直接担当の教授から個別に手渡し式?をする旨の連絡があったらしいが、久留米に届いた学位記をすぐに送っても間に合う保証はなく、さらに残念な結果に。

まあ、大学院へ進む道を選んだ娘にはもう一度式典に出席するチャンスはある。

式への出席を楽しみにしていた母親にとっても、姪のために髪飾りのリボンを手作りしてくれた義姉にとっても、今回は残念ではあったけど、娘よ、人智のおよばないことにはいちいちくさらないことだ。これまで積み上げてきた努力や個人の価値が無になるわけではない。

「ちょっとくやしいね」

九州の各大学の卒業式のニュースを見ていた母親のつぶやき。


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