10月14日、例年行われている「高良山くんち」だが、今年これとは別に御神幸祭が行われた。

平成4年、御神期大祭として50年に一度という1600年祭が行われ、境内に鎮座している3台の神輿をともなって市中を回遊するという大イベントが行われた。しかし、50年に一度というと、当然前回の様子は文献に記されたものを頼りにするしかなく、もう少し短い期間で行えないかと云われていた。

それから20年、今回の御神幸祭は3台の神輿のひとつだけを伴う簡略版として行われた。簡略版とはいっても、総勢400人近くの人員を配し、交通課の協力を得て交通規制を敷き、山頂の大社から朝妻の味水御井神社、高良御子神社、高良外宮社、高良内八幡神社と丸一日かけて練り歩く大がかりなもの。

神事は確かに宗教上の行事にちがいないが、その歴史から、風流や神楽、雅楽など風物詩として捉えられる民俗的側面も色濃いものだ。格式も大事だが、もう少し、例えば子どもたちにも親しみやすい工夫をするとか、考慮すべき事は多いのではないだろうか。

両親共に仕事をするのが普通という今の時代、家庭は余裕を無くし、結果、地域社会の崩壊が叫ばれて久しい。奇しくも昨年の大震災ではその薄れつつある小さなコミュニティの大切さが浮き彫りになった。

人と人との絆を思い起こし、次代へと継いでいくための核となるべきものだと思うからこそ、そう思う。

筑後国一の宮 高良大社 [kourataisya.or.jp/]



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