久々に家族4人が揃った日々。再び帰京する17日までの10日間。

こんなに長期間一緒にいるというのは、この先そうはないだろう。4月になれば息子は就職先の横浜へと旅立つ。情報関係の仕事となれば、必ずしも世間的な休日と同じサイクルとは限らないだろう。むしろ、逆になる可能性が大きい。

それに10日間も休みを合わせることなどあまり想像できない。3月14日、仕事の段取りを付けて、家族揃って糸島での休日を取った。

もはやおきまりの牡蛎小屋での焼き牡蛎、「つまんでご卵」で最近有名な緑の農園の直売店での買い物、海岸線を走り、二見ヶ浦のカフェでお茶。もう何度も何度も訪れている志摩の自然を堪能する。

子どもの頃、ウチは商売をしていたせいで、家族揃ってどこかにお出かけなどという記憶はまるで無い。自営業ならずともみんな生きるのに一生懸命な時代でもあったし、よほどのブルジョアな家庭でもなければそれが普通という高度成長期時代。バブルの時代とは違うし、今のデフレの時代とも違う。

大好きだったフランス映画「夕なぎ:1972」などを観ていた頃、映画のストーリーもさることながら、フランス人って裕福だなと思っていた。もちろん、登場人物の全てがお金持ちというわけではないが、なんというかちゃんと休みがある、というのが日本とは違うなあと思ったことのひとつだった。

いや、貧しかったかも知れないが、戦前の日本にも同じような風景はあったのかも知れぬ。何かにせかされるように働き、休むことに罪悪感さえ覚えていた若い頃。そんな時代もきっと必要な時間だったに違いないが、最近ようやく休もうと思えるようになった気がするなぁ。

きっとトシのせいばかりではないさ。

過去記事 : 牡蠣小屋  [kurumejin.jp/archives/51410782]
つまんでご卵直売所にぎやかな春  [natural-egg.co.jp]
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