シネマと演劇

Paterson [movie, 2016 USA]

paterson

忙しくなりそうな今年の夏。だが、忙しくなりそうだと思うと、つい逃避グセが出る(苦笑)
今日は何もない、いいお天気の日曜日。何気に映画を1本観た。

パターソン(Paterson)

ニュージャージー州パターソンに住むバス運転手のパターソン。何気ない日々の出来事を詩に書きとめている彼の1週間を描いた作品。何か起こりそうで、何も起こらない淡々とした展開だが、今日観るには、相応しい映画に出逢った気がするよ。まるでこの映画が一編の詩のようだ。

[The line(その1行)]

There's an old song
My grandfather used to sing
That has the question,
"or would you rather be a fish?"
.....

祝 芸術奨励賞 中村勉也氏

*slide show, PC-mode only *スライドはPCモードオンリーです。

11月3日、久留米市表彰式が行われた。くるめ市民劇団「ほとめき倶楽部」の中村勉也氏が芸術奨励賞を受賞! パチパチパチパチ。久留米の演劇界からは久々の受賞です。勉也さん、おめでとうございます。

元々、この人がどうして地方にいるのだろうと思うくらいの役者なのだが、ほとめき倶楽部の講師役の傍ら、最近は演出を手がけることも多い。今年10周年を迎えたほとめき倶楽部の本公演「ワーニャ伯父さん」は、同劇団では初めてのチェーホフだったが、実際に観てみるとなかなかどうして、ちゃんと成立していた。シンプルな舞台構成、そして淡々と進む演出、とチェーホフの世界が再現できていたと思う。周りからの評価もかなりの高評価。「この十年で最高の仕上がり」との声もあるほど。

ほとめき倶楽部は、久留米で初めての市民劇団として旗揚げした。演劇をするのは初めてという老若男女を含め、団員を一般公募してのスタートだった。以来、十年。よくここまで来たなあと感慨も深い。色々と紆余曲折を経て現在は約10名とやや少なめの団員で頑張っているが、久留米の演劇文化を支え続けていると云っても過言ではない。

今回の勉也さんの受賞を機に、少しでも演劇文化に注目が集まり、パワーアップできるきっかけになればと願っている。みなさん如何ですか?演劇、やってみませんか?役者でも裏方でもいい、一度ハマってみれば愉しいですよ。



くるめの演劇情報誌 Actors Cafe' : ワーニャ伯父さん [actorscafe.jp/archive2019/1019

くるめの演劇情報誌 Actors Cafe' : ワーニャ伯父さん*Full size Movie [actorscafe.jp/archive2019/1020

ワーニャ伯父さん

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くるめ市民劇団「ほとめき倶楽部」第10回本公演のお知らせ。

もう、10年になるんだなあ。久留米初の市民劇団を立ち上げるという創設期から、ベースにしていた旧久留米市民会館の閉館など紆余曲折を経ながらここまで来た。あの頃の未来に立っているかといえば、なんとも云えないが継続していることには少なからず意義がある。一度も休まずに年1回の本公演を続けてきたのは大いに評価されると思う。

さて、10周年記念公演となる今回、遂にチェーホフに挑戦ということになりました。ロシア文学・・10年続いた劇団の実力が問われそう。ロシア文学はなぜだか結構読んだ記憶がある。最初はエミール・ゾラの「居酒屋」、それからその続編的な「ナナ」。有名だったドストエフスキーよりも先だった。中学生のころ、なんの酔狂か、分厚くて暗いその本を夢中で読んでいた。

今の私の記憶にあるのは、多分その後TVか何かで見た中世ヨーロッパの映像の刷り込みの方が強いだろうと思うが、石畳に囲まれた洗濯場でのやり取りのシーンなどは、文章の中から多分、こんな感じ、あんな風、と想像力が掻き立てられた。

だいたい、ロシア文学にはハッピーエンドがない(苦笑) 苦しさや生きにくさの中、淡々と物語が進んでいき、そして大概はそのまま物語は終わりを迎える。起承転結もクライマックスも訪れない。こんな話の何が好きで中学生が読んでいたのか、不思議な気さえする。

・・・ん〜〜〜話が長くなりそうなので、ロシア文学の話は置いといて、チェーホフ。演劇の世界では実力だけが物を云うだろう四大戯曲の一つ「ワーニャ伯父さん」へのチャレンジ。10周年を迎えた「ほとめき倶楽部」の面々がどういう解釈、どういう表現を見せてくれるか、楽しみだ。

みなさま、どうぞお越しください。

くるめの演劇情報誌 Actors Cafe' : ワーニャ伯父さん [actorscafe.jp/archive2019/1019]


Bohemian Rhapsody

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遅ればせながらやっと観に行けました(笑) Bohemian Rhapsody。ラッキーなことに今日の上映はT-JOY最高の音響設備があるT-LEX(スクリーン1)だった。久々に映画はエンターティメントだと再認識した感じ。閉鎖された空間を臨場感あふれる大音量が包み込む。

それにしても、今や社会現象的に売れに売れている映画だけど、なんでこんなに人気があるんだろうと不思議な気もする。しかもQueenをリアルタイムで知らない若い連中が多い。振り返ってよくよく思い出してみると、Queenはウチの妹が大ファンだったけど、当時は個人的には数ある海外有名ロックバンドのひとつ、としか感じてなかった気がする。それよりはRストーンズはもちろん、Rツェッペリン、GFRとかのほうがよく聴いていた。Queenは何てったっけ、グラムロック?的な印象だった。しかも髪が短くなった後のフレディのあの出で立ちはどう見ても「ゲイ」そのもの。音楽的にどうこうというより、見た目で敬遠してた気もするな。

普段、ミュージックビデオにはあまり魅力を感じない。たとえ好きなアーティストのものでも積極的に見ようとは思わないのだが、この作品、映画館でならもう一度見たいと思えるね。正直な話、泣けちゃったよ。

赤ずきんちゃん...Digest Movie



くるめ市民劇団ほとめき倶楽部 第9回本公演「赤ずきんちゃんの森の狼たちのクリスマス」の Digest Movie[00:06:56]です。

ほとめき倶楽部では、初の足立演出。個人的には何と云うか、不条理とか不思議さ的な別役らしさを期待してしまうが、この作品自体がそうなのか、そう云うことはともかく、見方を変えれば楽しめるミュージカルとしてよく仕上がっていた作品だったと思う。

フルムービーもアップされていますが、まずはDigest版をどうぞ。


赤ずきんちゃんの森の狼たちのクリスマスFull Movie [久留米の演劇情報誌:Actors Cafe']

くるめ市民劇団「ほとめき倶楽部」第9回本公演*赤ずきんちゃんの森の狼たちのクリスマス

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ぼやぼやしているうちに、あと2週間になってしまいました。くるめ市民劇団「ほとめき倶楽部」第9回本公演*赤ずきんちゃんの森の狼たちのクリスマス のお知らせです。

別役 実作。別役と云えば不条理劇、というイメージなんだがこの作品はちょっと違う感じ。まるでミュージカルのような仕立てになっている。「ほとめき倶楽部」は、今回から演出が足立久美子に変わった。この作品をどう料理するのか、楽しみだ。

・・と、1日明けた9月17日はDr.BUNBUN子ども医学部のイベント。まあ、今年は水の祭典からずっとスケジュールが超タイト。自分でも何やってんだか落ち着かない日々...(爆)


久留米の演劇情報誌 [actorscafe.jp]

イマなんじ? [劇団ゼロ 6月公演]

00 劇団「ゼロ」2年ぶりの公演のお知らせ。

今や久留米の老舗劇団の一つ、劇団「ゼロ」。昨年は残念ながら単独公演を打てず、新しい体制になって、どう変わっていくのか心配していたが、どうやら元気に公演の狼煙を上げた。

かって某氏が、青木繁、坂本繁二郎、古賀春江を生み出した久留米の画壇をさして「・・十人の画家が飯を食えるより百人の日曜画家が居る町の方がすごい。絵を描くことが好きな千人の子供達が居る町はもっと素晴らしい・・・」と宣った (*注) が、演劇の世界も同様。

画壇や音楽の世界のみならず、田中 麗奈、吉田 羊、石橋 凌、藤吉 久美子など今も第一線で活躍中の多くの久留米出身の演劇人がいるが、地元で活動を続けるアマチュア演劇にこそ注目したい。彼らはそれぞれに仕事を持ち、日々の生活の傍ら時間をやりくりして芝居の世界に身を投じている。

アマチュアで劇団として活動を続けるのは、なかなかヤワなことではない。稽古場を確保し、仲間を集め、公演ともなれば会場の確保からフライヤー、チケットの配布、広報と何でもやらなければならない。

地域から傑出した著名人がいることは、もちろん素晴らしいことだが、1円にもならないそんなアマチュア活動を続ける人がたくさんいること、それこそがその地域の文化の底力だと思う。自らの生き方や表現を世に問うこと、文化とはそんなアイデンティティをもってはかられるのだと思う。

みなさま、ぜひ彼らの公演を観に行ってください。よろしくお願いします。



(*注) [文化の仕掛人 米替誓志の軌跡]より
劇団ゼロ [Act-Zero+]
くるめの演劇情報誌 [Actors Cafe']

極め付け好色おせん

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井原西鶴の浮世草子「好色五人女」の第2話樽屋おせんの物語から。近年の劇団PROJECTぴあ作品では2013年の「火炙りお七考」に続く公演になる。今回のサブタイトルに「男の恋は意気地なし 女の恋は意地っ張り」とあるが、まさに宜なるかな。

狂乱、自害、磔、火刑...第5巻以外は、どれも悲劇的な結末を迎える好色五人女だが、さて今回はどんな石山演出になるだろう。井原西鶴の原作は好色・・という言葉から期待する色っぽいハナシばかりではないのだが、すべて美人と云うふれこみだけは一緒(笑)

下世話な不倫が話題になる昨今のゲイノー界だが、さてさて...



久留米の演劇情報誌:Actor's Cafe [/actorscafe.jp]
過去記事:火あぶりお七考 [July 30, 2013] [kurumejin.jp/51446615]


瀬戸 康史 出演:関数ドミノ

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六ツ門に久留米シティプラザが出来て変わったことといえば、学会などのコンベンション開催が増えたこともだが、中央からよく演劇公演が来るようになったなと感じる。これから久留米での演劇熱が高まれば幸いだ。そう簡単にはいかんやろうけど。

今回は久留米シティプラザ自慢のザ・グランドホールでの公演だが、久留米座やCボックスなどで行われる小公演がもっとたくさん来て欲しいと思う。

ということで、来月行われる公演のお知らせ。地元(嘉麻市)出身、新進気鋭の俳優、瀬戸 康史ほか勝村 政信、柄本 時生など、まあ久留米じゃTVでしかお目にかからない俳優さんがいっぱい(笑) 瀬戸 康史ファンはもちろん、楽しみな公演です。

「関数ドミノ」とは
「関数ドミノ」は前川知大が作・演出を手掛けた、イキウメ代表作のひとつです。
2005年初演の後、2009年、2014年と再演し、その度に登場人物や結末が改訂された戯曲は、観客の心を掴んで離さない作品として高い人気を誇っています。
今回は2009年版の戯曲をもとに、前川による加筆が行われた、新たな「関数ドミノ」として上演いたします。
2017年版も、どうぞご期待ください。

Movie Message:瀬戸 康史より



久留米の演劇情報誌:Actor's Cafe [actorscafe.jp/20171026]
公演公式サイト:関数ドミノ [kansu-domino.westage.jp]

市民劇団の再スタート [イーハトーボの劇列車]



9月16,17日、えーるピア 久留米でくるめ市民劇団「ほとめき倶楽部」の第8回本公演「イーハトーボの劇列車」が上演された。創設9年目のほとめき倶楽部だが、昨年は久留米シティプラザの演劇祭への参加のため、劇団独自の本公演としては8回目。

ほとめき倶楽部は平成21年、旧久留米市民会館の自主事業の一つとして旗揚げした久留米初の市民劇団だ。老若男女、誰でも参加出来る劇団として、上は70代から高校生まで、そして在野のアマチュア劇団からも参加と協力を得、文字通り多彩な顔ぶれでスタートした。

だが団員の願いも虚しく、久留米シティプラザの創設に伴い、市民会館の閉鎖とともにこの劇団はその足場をなくした。「市民劇団」を標榜し続けているが、日々の稽古場を探し、個人宅などに道具を預け、苦労しながら活動を続けており、今やその活動基盤は一般のアマチュア劇団と何ら変わりはない。

新しい久留米シティプラザでは「くるめ演劇塾」という事業が自主運営されている。演劇の面白さを伝え、演劇文化を根付かせるため?年齢制限なしに、誰でも参加出来ると、門戸を開いている。昨年は延べ120人程度が参加したらしい。「プラ座コース」による発表公演も行われた。結構なことだ。

しかし、どうやら市民劇団的な発想はここにはないらしい。この中から、たとえば新しいアマチュア劇団が誕生することなどあるのだろうか。

劇団を旗揚げするというのは、並大抵のエネルギーでは出来ない。仲間を募り、稽古場を確保し、ホン(脚本)を書き、あるいは選び、道具をつくり、公演を目指せば、会場を確保し、いくばくかの資金を調達し、フライヤー、チケットをつくり、これを手売りして行かなければならない。演じることが好きだから、だけではとても出来ない。

だがしかし、そういうありとあらゆるハードルを無視してでも「何かを創りたい」「表現出来る場を持ちたい」という強烈なインセンティブがあって初めて旗揚げへと漕ぎ着ける。こんな無謀な思いつきを実行出来るのは、後先考えない若者の特権とも云えるが、それでも「バカ」がつく希有な存在でなければならない。

立ち上げの経緯は様々だが、そうやって旗揚げしたアマチュア劇団が、久留米にもいくつか存在する。しかし、演じること以外の膨大な作業をこなすと、その先にはたぶん、喝采を受け、感動するという舞台本来の楽しみの他に想像出来なかった充実感が待っているものだ。それは仲間とのふれあいであったり、多くの人との出会いであったりするが、何かをやり遂げるという、たぐいまれな達成感なのだ。

他の何ものにも代え難い楽しさをそこに見いだしたからこそ、そういう活動を続けるのだ。そして、ぐったりと疲れ果て、また「次は何をやろうか」とふつふつとたくらみを思いつく。そんな思いつきを実行しようとする行動力ある輩こそ、地元に必要な人材、応援すべき人材ではないだろうか。

・・ハナシが芝居からそれそうになるな(苦笑) 演劇に興味を持つ新人の発掘も大切だ。久留米シティプラザの「くるめ演劇塾」から、将来、中央で活躍する人材が出るようになれば確かに素晴らしい。が、地元にとどまり、生活の一部として演劇との関わりを続けていく、そんなアマチュア演劇人を有機的に結びつけ、サポートするという視点がない。

文化とは、所詮「あそび」だ。誰にも邪魔されずにその世界に没頭出来る、夢中になれるからこそ「あそび」は面白い。最近「恊働」という言葉を良く耳にするが「久留米って面白い、楽しい」と云わせる気があるなら、森よりも木を選んで育てることも大切。「活力」は面白さの中にこそ存在する。

そして文化はその集大成として評価を受けるものだ。スクラップ&ビルドも時には必要だが、毎回毎回切り捨てていては、とても文化の創出はおぼつかない。活かし続けてこそ文化は育つものだと思うし、飽きない「面白さ」が、きっと「商い」に結びつく。

・・・やっぱりハナシが脱線しそうなのでこの辺で終わっときます。



久留米の演劇情報誌 [actorscafe.jp]


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